鉄は古来、鉄色という独特の色をもっております。昔は、「男の最上級の着物は鉄色」と言われてきました。
今では、鉄色という色をほとんどの人が知らない世の中です。それは青でもなく、ましてや黒とも異なり、いい色です。
鉄は炉の中に入れて赤くなったものをつかみ出します。
出した瞬間空気に触れます。このときできた表面の膜を酸化皮膜ともうします。
この膜を大切にする限り、そう簡単にはさびません。
鉄は熱いうちにうて、といわれますが、炉から出して熱いうちといいますと数秒、秒単位です。
これではシンプルなものしか造れません。金具はシンプルな造りが鍛冶職人が造ったものということになります。
錺り職人は冷えた鉄をこつこつと叩いたり削ったり孔をあけたりと、結局のところ傷つけることになります。
こうなると真っ黒に塗るか、めっきしてごまかすことになります。
従って、現代の消費者は、塗ったものやめっきしたものしかみてないことになり、
鉄色を知らない人が多いと思われるわけでございます。
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